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流路の庭

2023

東静岡アート&スポーツ/ヒロバ(静岡市)

​Streams garden

2023

HIROBA/East Shizuoka art&sport (Shizuoka)

thread

―展示用作家コメントより
周囲の開発された都市の景色の中に、ぽっかりと土と芝生の地面が広がる。初めて訪れた時、どこか不思議な空白感をこの地に感じた。
この空白の地に立っていると、地面の下にはどんな記憶が眠っているのだろうということに自然と思考が及ぶ。聞くと、かつてここには安倍川の分流が流れていたという説があるらしい。安倍川流域ではたびたび氾濫が起こっており、江戸時代に治水工事がなされて現在の流路になったのだとか。かつてここに流れていた、見えない川のことを思った。
JR東静岡駅の南側にある旧東海道の遺跡が示すように、この地は古代から人々の往来があった。鉄道の時代になっても西から東へ、東から西へと人や物、様々なものが流れ続けた。
再度この地をよく見ると、築山や枯山水のような石が配置してある。見るものの想像力で石に水や川を見る日本庭園に習い、この地を広大な庭に見立ててみる。
この地から得た「流れの路」というキーワードを手がかりに、見えないものを見ることを試みたいと思う。

 

© Nagisa Hirakawa all right reserved

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